ねじばな

ネジバナ(捩花)

雑草では珍しいラン科の植物です。

5ミリほどのピンク色の花が茎の先端に向け、らせん状に咲いていきます。

この花は梅雨の時期、日当たりのよい土手や路肩などで見ることができます。
花が見られるのは2週間ほどで、この地方では6月の中旬から7月の初めごろまで見られます。

ネジバナ群生
米ノ津川の堤防で見られるネジバナ

ネジバナは湿気があり日当たりのよい場所を好みます。

根はラン科の特徴でもある菌根となっており、菌が好む環境が土壌には必要です。
そのため、ネジバナの自生する場所は普段から他の雑草に覆われ日差しが地面まで届かない湿気のある場所が適しています。

周囲の雑草は菌根菌の生育にも必要でネジバナ単独では生息できないようです。

花の周囲にはツメクサやヨモギ、カタバミなど地面を匍匐する植物やイネ科の雑草など成長の速い植物で覆われています。

花は日当たりの良い環境を好みます。藪や放置された場所では育ちにくいようです。
開花は草刈りが定期的に行われる場所や日当たりが普段から良い場所が良いようです。

この地域では田植え前の土手や畔の草刈りをきっかけに芽を出すようです。

中国では盤龍参(ばんりゅうさん)という漢方薬の材料で強壮剤や解毒にも用いられるようです。

この植物は古来から日本に自生しているようで北海道から九州で見られます。

南西諸島ではナンゴクネジバナ(南国捩花)という近縁種があります。
ナンゴクネジバナは鹿児島ではレッドリストに掲載されています。