コメツブツメクサ

コメツブツメクサ(米粒詰草)

花は爪ほどの大きさで丸く黄色く、よく見ると米粒程の花が20個ほど球状に集まっています。
北薩地方では4月頃から10月頃まで日当たりのよい道端で花が見ることができます。
葉はクローバーと呼ばれている他の詰草と同様ですがV字の模様はありません。成長した葉は縁から赤味がさしてきます。

植生

米粒詰草は背丈が20センチほどしかないため藪とかした場所や周りに背の高い植物があるとよく育たないようです。道端などでも何時も見られるわけではなく草刈が行われた後、地面に十分に日が当たる時期に一気に広がりしばらくすると他の雑草の影に埋もれてしまいます。
遊歩道の路傍や土手などでよく見られるのは定期的に草刈りが行われていて他の雑草の高さが抑えられていることや日当たりが確保されているからではないでしょうか。

分布

原産地はヨーロッパから西アジアで日本では1930年代に見つかっている帰化植物です。
その後、全国で確認されているので観賞用での輸入というよりは白詰草などの牧草の種に混ざり全国に広まったのかもしれません。

利用

他の詰草同様に牧草として利用されているようです。
マメ科の植物は根に根粒菌と呼ばれる窒素固定菌が共生していてコンパニオンプランツや緑肥としても利用できるようです。
横へ広がる特調を利用してグランドカバーとしても使えるようです。密集して地面を覆う植物は地面への日当たりを悪くするため地面の保湿や他の雑草の成長を阻害することができます。
しかし、このような用途で使うには種を自分で集める必要があります。また、グランドカバーや緑肥としては他に優れた植物があり種も販売されていないためコメツブツメクサは散歩などの途中で鑑賞して楽しむのが良いようです。

コメツブツメクサとシロツメクサ

名前の由来

コメツブツメクサのツメクサとは詰草と書きます。詰草とは江戸時代にオランダからガラス製品を輸入するときの梱包に緩衝材として詰められていた植物から詰草と名づけられました。日本にはツメクサ(爪草)と呼ばれる植物が既に存在していたため詰草の仲間は名前の前に花の形状や色などの特徴を付けて呼ばれています。名前の前半のコメツブとは花びらが米粒に似ているからという説と小さい物をコメツブと比喩する言葉として使われることがあり,以前から日本で見られたシロツメクサと比較して小さいのでコメツブと表現されたという説があるようです。

その他の情報

別名 コゴメツメクサ、キバナツメクサ
学名 Trifolium dubium
分類 マメ科シジャクソウ属

この記事の参考にしたホームページ、書籍

松江の花図鑑
ウィキペディア

野草・雑草の辞典530種(西東社)